dBの計算

騒音・振動編において,dBの計算やA補正値を理解していなければ合格できないと言っても過言ではありません。実際の試験でも4割ほどは出題されています。
逆に言うと,これらの計算をきちんとできるようになると合格率も大幅に上がるため,何度も確認して理解できるようにしましょう。

dBの計算

主にdBの計算は下記の3種類です。

  • dBの和
  • dBの平均値
  • dBの差

ただし,この中で重要な項目は和と平均値であり,差はそれほど重要では無いです。というより,差が問われたことは今までないと思います。そのため,ここでは和と平均値に着目します。

dBの和

騒音を例に,音圧レベルが\(L_{1},L_{2},・・・,L_{n}\)である場合,全部同時に運転したときのある地点での音圧レベルLを求めます。

であるため,それぞれを加算すれば良いのですが,dBの計算の場合は下記表の補正値に従い,加算をしていく必要があります。

レベル差 L1-L2精密補正値概略補正値
03.03
12.53
22.12
31.82
41.52
51.21
61.01
70.81
80.61
90.51
10〜0.40

試験では基本的に概略補正値を使用します。ごくまれに精密補正値が必要になる問題も出題されますが,小数点まで覚えるのは難しいと思いますし,覚える必要性も無いと思うため,概略補正値を覚えれば十分合格できます。

ただ,4〜5dBなどのレベル差が連続した問題などは注意が必要です。
例えば,60dB,64dB,70dBの和を求める場合,概略補正値の計算では60dB+64dB=66dBを得て,さらに66dB+70dB=72dBを得ます。
一方で精密補正値の場合,60dB+64dB=65.5dBを得て,さらに65.5dB+70dBをすると約71.2dB〜71.3dBを得ます。

このとき,問題によっては71dBと72dBの両方が選択肢にあり,どちらが解答か悩むこともあります。精密補正値を把握していれば,四捨五入して71dBが正しいと判断できますが,概略補正値のみを把握している場合は72dBが正しいと判断してしまいます。

前述した通り基本的には概略補正値を覚えれば十分です(私も概略補正値しか覚えていません)が,ごくまれにこのような問題が出題される場合がありますので,精密補正値に左右されることがあるということも認識しておきましょう。

dBの平均値

先ほどと同様,騒音を例に,音圧レベルが\(L_{1},L_{2},・・・,L_{n}\)である場合,dbの平均値\(\overline{L}\)は下記のように表されます。

\(\overline{L}=L-10logn\)

ここでLはレベルの和を表します。ここで,60dB,64dB,70dBの平均値を求める場合,和を求めてから,10logn,つまり10log3で引きます。和を72dBとすると,

\(\overline{L}=72-10log3=72-4.7=67.3\)dBと求まります。

上記の結果の通り,計算結果が異なるため違いを良く理解しておきましょう。

補足

dBの和や平均値に関して,試験においては上記の計算を覚えておけばまず心配ありませんが,本来の計算過程は異なります。

騒音や振動のレベルは,各エネルギの大きさを基準エネルギの大きさで除したものに常用対数を乗じて表されます。音圧レベルの求め方と似ていますね。

\(L=10log{\large\frac{E}{E_{0}}}\)

ここで,各エネルギの大きさをE,基準エネルギの大きさをEoとしています。エネルギの和は下記の通り表され,

\(E=E_{1}+E_{2}+・・・+E_{n}\)

さらに,これをレベルを求める式に当てはめると,以下のようになります。

\(L=10log{{\large\frac{E}{E_{0}}}}=10log{\left(
{\large\frac{E_{1}}{E_{0}}}
+・・・+
{\large\frac{E_{n}}{E_{0}}}
\right)}\)

\(L=10log{(10^{L_{1}/10}+・・・+10^{L_{n}/10})}\)

以上が,和の求め方になります。続いて平均値は,エネルギ和をnで除した値で表されるため,

\(\overline{L}=10log{{\large\frac{E}{E_{0}}}}=10log{\left(
{\large\frac{E_{1}+・・・+E_{n}}{E_{0}}}

\large\frac{1}{n}
\right)}=
L+10log{\large\frac{1}{n}}\)

\(\overline{L}=L-10log{n}\)

以上が平均値の求め方になります。

本試験においては,和も平均値もこの方法で計算することはまずありません。よって,覚える必要は無いのですが,実際にはこのような過程で求めるんだな,ということだけ覚えていれば良いと思います。

コメント